2004年11月29日
The Space Between Us
早く着いてしまった。
2年前と同じ場所、かつてオフィスがあった代官山の街をうろつく。
町並みはどんどん差し歯を交換しているように様変わりしている。
きっと10年もするとまた違う顔にかわっちゃうんだろうな。
O氏と会食。O氏はオランダのレム・コールハース(建築家)のもとで、
主に美術館建築等の多くのプロジェクトに関わっていた。
最近、彼が建築、僕はグラフィックという役割で仕事をしたので、今日はそのカジュアルな反省会モード。
気がつくといつしか話題は映画に。彼はかなりの映画通だった。
(建築家と映画監督って現代に残る数少ない「独裁者」だし、共に「帝王学」かも。)
話は最近はやりのリノベーション建築(リフォーム)について、
建築の表面だけじゃなく、配管や空調といった設備の方が重要とか、
宮崎アニメの動きの基本は、停車する戦車の重心移動の描写だとか、
オランダの光は干拓事業の前後で変わってしまったとか、とかとか、、、四方八方に飛びまくる。
お互いに生まれも育ちも東京で、しかも同世代なので時代に対する感覚が近い。
外に出ると通りはオレンジ色に包まれ、すっかり冬の空気。
2004年11月28日
BONSAI avant-garde
昨日に続いて快晴。
あんまし天気が良いので、実家近くの昭和記念公園の盆栽館へ。
じっくりと鑑賞したのは初めてだった。
盆栽は「見立ての芸術」だ。
眺めているとだんだん自分が小さくなって、根本の辺りをぐるぐる回り、そして空を見上げる。
盆栽の中には、岩場から下に向かって伸びていく様を表現したものや、
まだ苗の段階で中空に石を無理矢理に挟み込み、
成長によってその石がせり上がっていくという荒ワザもあった。
はて?「自然は人間がコントロールする」という哲学は西洋的な考え方のはず!?
どうしてどうして、我らニッポン人もこんな激しい事やってます。
本日見た中で一番樹齢が長いのが300歳。
それって、おじいさんが遺言で「庭の盆栽を頼む〜」って言ったことの繰り返しなのでしょうか!?重いぜ。
盆栽、それは「静かな前衛」。
2004年11月27日
DEXTRONIC
初めてDEXTERに会ったのは、今年の7月ぐらいだったと思う。
そのL.A.から来た天真爛漫な若者は、東京を心底楽しんでいた。
留学中の19才学生の「子守」を頼まれたという流れで、
初夏の1日を地面から3cm程浮き上がった気分で原宿、渋谷、青山と共に歩いた。
こっちまでツーリスト気分で。(さらにハタチのテンションで。)
外国の人といると、東京がいつもと違った街に見えるから不思議だ。
もう東京を消費しつくしちゃった気分だったから、こういうのは新鮮。
普段あまり入らない様なブティックにもガシガシ踏み込む。
気がつくと、彼はどこに入っても目を細め、耳をそばだてる。
そう、そこに流れる「音」に集中しているのだ。
尋ねてみると、地元ラジオ局で番組を持っているという。
しかも毎週土曜日のプライムタイムに。(特に土曜夜は激戦区。)
最近のお気に入りはPREFUSE73(別名義ユニット:SAVATH&SAVALAS)、
EmotionalJoystick(名前が面白い)とのこと。日本人だと断然DJ KRUSHらしい。
確かSLY & THE FAMILY STONEのSLY STONEも、
そのキャリアをL.A.のローカル局DJからスタートしたと記憶している。
若い人にチャンスのある社会ってホントだ。良い耳に歳は関係ない。
彼曰く「最大の敵はパーティ」。欧米では、週末ともなるとハウスパーティが盛んだ。
いかに人々をパーティよりも自分のラジオに引きつけるかが勝負なんだそう。
「奴らの耳にガツン!というのをおみまいしてやるんだ。」
そのガツン!に興味のある方は下のインターネットラジオ版「ダウンロード」ボタンを。
日本時間の日曜昼12:00が、ロスはサタデーナイトで、彼の番組のオンエアタイム。
番組表右下でpodcastを探してみて下さい。
2004年11月26日
ELECTRA
ノーベル文学賞作家のオニール原作「喪服の似合うエレクトラ」(原題:Mourning Becomes Electra)を、
初台の新国立劇場で見る。舞台は南北戦争後のある呪われた家系に起こる悲劇だ。
主演の堺 雅人さんの「キレキレ」の演技にやられた。劇中の彼が戦争の体験を語るこんな台詞が痛かった。
「人を沢山殺すと、いつも同じ人間を殺している事に気がつくんだ。
殺しても殺してもみんな同じ顔で、最後にはそれが自分の顔になる。」
争いを焚きつけている指導者達に聞かせたかった。
4時間を越える長丁場にも関わらず、ぐいぐいと1920年頃のボストンに引きずり込まれた。
それにしても役者って凄い。体が変幻自在の受容体(いれもの)にでもなっているのかな。
舞台の上には沢山の言霊が、ふわりふわりと飛んでいました。
2004年11月25日
2004年11月24日
Paradigm Shift
医者の待合室に浦沢直樹の漫画「20世紀少年」があった。待合室って、プチ漫画喫茶。
そして床屋には「こち亀」。関係ないか。
とにかく「20世紀少年」。
以前どこかで聞いたような、そんな映画のタイトルがあったか無かったか、、、。
ページをめくると、その世界観にぐいぐいと引き込まれてしまった。
それはちょうど僕らの世代の話だ。
かつてのともだち間の派閥、秘密基地、オバケ事件、ロボット、予言・・・。
そこに現代の新興宗教、偏向政党、細菌兵器、爆破テロへ。
パラダイムシフトが非常にダイナミックで、
キーワードから現在をあぶり出す手法がホント見事!
習慣的に読んでいた漫画と一定の距離を置くようになって久しいが、、、
やられた!
2004年11月23日
Sunny Day Real Estate
目を覚ますと土星まで見えそうな勢いの青空。
植物じゃないけれど、光合成をしに自然と足が扉の外へ。
多摩川はもうすでに人でいっぱい。
草野球のバットはファールボールを放ち、自転車はギアーチェンジ。
釣り竿の糸は空気をしならせ、地面に犬の爪のこすれる音も混じる。
体内酸素濃度をひとしきり満たしたあとは、けんちゃんといつもの「イケテナイ喫茶店ツアー」にくり出す。
本日のターゲットは新丸子駅前の純喫茶「オリオン」。
ドリップコーヒーと完璧なトマトケチャップのナポリタンのセット。
壁紙や照明の具合、ピンクの電話等を念入りに検証して、
栄えある「イケテナイ喫茶店」殿堂入り。
かくして秋の休日は過ぎゆくのであった。
2004年11月22日
BLINK
爆撃の続く地下壕で、ドローイングを描いていたイラク出身の画家、ALIさんは、
6月にイラクに一時帰国した際に3回も誘拐されそうになった。
もう2度と戻りたくない、と、重く語った。
世界に何が起きているのか?もっとタフな想像力が必要だ。
本当に語られるべき言葉、それはいつもひっそりと伝えられる。
そしてそれは、こうして瞬き(BLINK)している間にも刻々と変化し続ける。
2004年11月21日
GARGOYLE
オーストラリアの花だそうで、名前が分からないのです。節足動物にも似たジョイントが特徴で、大地の花って感じ。
どなたか知っている方、教えて下さい。
2004年11月20日
Eternal Mystery
渋谷で再びTJと落ち合う。
量販店でマッサージ椅子に深く埋もれる人々を見るなり、TJが
「彼らはテストドライバーか?」
と言ったので笑った。
用賀にある上沢さん(キュレーター)の運営するアートコクーンへ。
bob foundationの展覧会だ。
携帯電話の普及以降、あまり目にすることの無くなった有線電話のコードがモチーフで、
それがエプロン、ファブリック等の様々なアイテムに落とし込まれていた。
肩の力の抜けた、緩くて軽やかな展示に好感を持った。
そして最後にかつて共にスタジオで活動していた中山ダイスケの展覧会へ。
絵に登場する現代の寓話的なイメージの馬、鳥、家などのモチーフは、いったい何を暗示しているのか。
いや、そもそも暗示なんて無いのかも知れない。
深読みしないで、色とコンポジションの中で遊んでいる絵を素直に感じてみる事にしよう。
そうすれば虹の向こう側に行けるかも。
2004年11月19日
LOST IN TRANSLATION
かねてから気になっていた映画「ロスト・イン・トランスレーション」を見る。
なんだかとても言語化しづらい一遍。
欧米人の文法でニッポンを描くと、決まって登場するエキセントリックなキャラクターの日本人像も、
かつてのそれよりは幾らか自然に描かれている気がした。
でもやはり、スノッブなところからキワモノを茶化すところには少しばかり閉口。
異文化に入り込むのって、そんなに大変なのかい?
これは単なる、キャピタリズム万歳(:中心主義)のアメリカ人ならではの視点です。
とあえて乱暴に言い放ち、樽に蓋をして、もうしばらく寝かせてみようと思う。
なんだかとても言語化しづらい一遍。
2004年11月18日
COZY CORNER
オランダから盟友TJが来日。
大の日本食好きの彼が、成田で最初に食べたのは納豆定食らしい。
そんなんで、我が家で豆腐やシソ等のオーガニックな「純・和食」の鍋をやる。
食後に小豆とほうじ茶をつけると、とても幸せそうでした。
きっとご先祖が日本の方なのでしょうね。
ちなみに彼は素晴らしい写真を撮るカメラマンです。
2004年11月17日
GOODBYE BLUESKY
ホテルの庭に作られたキッチュな小さい滝。
心地よい水の音は、注意深く耳を傾けないと、皮肉にもそれを送り出すモーターのノイズに掻き消される。
遠くでカラスが小刻みに震えるようなのど笛を鳴らす。
銀杏の葉が、青いバケツ色の空に熔ける。
季節は動き、光の粒子はより一層濃密になる。
2004年11月16日
GRASP AT THIN AIR
トレーニングジムへ行く。
ジムに入ると、いくらこいでも前に進まない自転車(エアロバイク)で45分。
帰りは前に進む自転車で紅葉の多摩川べりを走る。
長すぎた夏に押されて秋は往き、気がつくとすっかり冬の空気。
ここで生活していると、いつのまにか季節をスキップしてしまう。
つち、き、くうき。
どれとも等間隔に距離のある生活って何なのだろう。
投稿者 picasonic : 23:48